夕方さんぽ

日常の雑感など

『彼女が名前を知らない鳥たち』

※ネタバレ嫌な人は注意

 

お盆休みに入り、ダンナと子供は義実家へ〜

わたしはこちらでの約束もあり、

1人(猫と)留守番。

休みを楽しむために借りたDVD3本。

『ミックス』

『彼女が名前を知らない鳥たち』

奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール

 

どれからみよっかなーー

 

息子も見たいってゆーんで、

彼らの出発前に『ミックス』でガッキーの可愛さを堪能した後、

蒼井優をもっと見たくなって(ミックスにも中国人役で軽く出てた)、

昨夜『彼女が…』を選択。

 

登場人物が全員クズってゆー前評判から

どんだけ観た後にブルーになるのか、覚悟して観たんだけど

最後の最後で涙が。

一晩明けた今日も余韻が離れないので、完全に良い意味で裏切られた映画でした。

 

阿部サダヲ演じる・陣治が、若くて綺麗な十和子(蒼井優)を溺愛し、入れ込むのはまぁなくもない設定で、

画面が汚いと思えるほどに小汚い陣治のようなおっさんが、

2度と手に入らないであろう十和子のような綺麗な女性の言いなりになって尽くすんだけど、

そこはでも、表向き従順だけど何か裏があるよね〜と、気持ち悪くて不気味な一面をチラホラ見せ

こいつ1番ヤバいやつかも、十和子、クズ男ホイホイやん

と、思わせる見事な演出。

 

十和子の忘れられない男・黒崎(竹野内豊)のゲスっぷりや

十和子の不倫相手・水島(松坂桃李)のヤリチンぶりも

人間の薄っぺらさに顔をしかめたくなるほどに

カッコ悪くて見事です。

 

だけど、そんな薄っぺらくてロクでもない男たちがまだマシに思えるほど

陣治ヤバいんじゃない?って推測しながら観てたわたしには

完全に裏をかかれた結末で、今思い出しても

ウルウルしてくるくらいに陣治の愛は大きかった。

陣治と十和子の出会いからの回想がラストに入ってくるんだけど、

そのシーンと陣治の長ゼリフの畳み掛けが、すばらしい。

2人がなんで付き合って同棲までしてるのか、疑問に思いながら観てたんだけど、

それをここに持ってきたのが効果的。

陣治のあの行動もあのセリフも、キモいウザいと思ってたけど

そうじゃなかったんだ、っていう振り返りが巻き起こり

ああ!もう!陣治!愛が深すぎる!

不器用な男の精一杯の愛すぎる!

って、なります。

と、同時に嫉妬や独占欲から陣治がそういう行動してたって推測してた自分の薄っぺらさにも気づき、

己の心の小ささを反省してしまいます。

 

途中、黒崎との回想シーンも何回か入るんだけど、その手法の最後が陣治と過ごした時間だってゆーのがニクい。

十和子、気づいた時には遅かったね。

 

いい映画でした。

 

残るは『奥田民生…』妻夫木くんを久々に拝見するとします。